想いを胸に

敵艦を発見できずに帰還すること三度。その間、上 官からの心ない叱責もあったという。  
マスコミは、「戦争の悲劇を繰り返さない」と言うばかりで、

この悲劇に関しては殆ど伝えようとしません。終戦、広島・長崎原爆、東京大空襲、こ れらの日は戦争の悲劇的な記念日として扱われますが、一方で、“特攻”という非人道的な作戦への責任を問い続けなければならない今日の日を、マスコミは殆 ど報じません。
“特攻隊義士之像”を境内に飾り、戦争指導者を英霊として祀る靖国神社の戦争責任も、本来ならば毎年10月25日のこの日に厳しく問われな ければなりません。  
…その日も蒼々と広がっていたであろう、南洋の大海原を3時間20分。関さんは、いったいどんな想いを胸に、操縦桿を握り締めていたのであろ う。
“四度目の帰還は絶対に許されない…”、そんな想いで必死に敵艦を探していたのではあるまいか。
その大海原の遙か彼方に、セント・ローの姿を発見した 時には、思わず歓喜したか、乃至は、身震いの一つもあったかも知れず、見る見る大きくなって来るセント・ローを前に、束の間、最愛の奥さんを思いながら、 男泣きに泣いたかも知れません…。黙祷。